メンテナンスとチューンナップ

前にもこの話をした気がするが、、出荷されたスノーボードは完成度98%の

半完成品だと言ったのはgentemsticks主催の玉井太朗氏だ、自分が作った

板を完成品ではないと言い切る潔さに感服した覚えが有る

おそらくgenten乗りの方々はこういった物作りに対する考え方と

斜面と雪を追い求める時の精神と哲学に傾倒しているのだろうと

かってに解釈しているが、まあそれはともかく

見えて来た事、はっきりして来た事があるので、書いてみたい

雪の上を滑走する道具がどんな状態であれば気持ちよく意のままに滑れるのか?

新品の状態であれば、ノーズとテールのエッジを丸めて

ワックスなる蝋を塗りさえすれば、最高の状態で滑れると、

スキーの初心者の頃から刷り込まれて来た訳だが、

実際は引っかかるし止まりすぎるし回らない、こんなに下手だったか?と考え

込むほど、ひどく乗りにくかった思い出しか無い

新品で良い状態なのだから、自分がへたっぴ以外に答えが無いと思って

40年ほど時間が過ぎ去った、、、その結果おぼろげに見えてきた事実は

新品は乗りにくいであった、、、出荷された板は

職人さんがマシンや手で綺麗である事を目的に化粧された状態で出荷される

乗り手の為に手は入れていない、まあ一部手が入っている物も有るには有るが

ほとんどの板はそのままで市場に出てくる、スキーの世界ではそれが常識だからだ

もちろんスノーボードはスキーの文化と工場によって作られている訳だから

その文化はしっかりと受け継がれている

貴方がサーフィンをやる方だとしよう、サーフボードで波に乗る訳だが

そのサーフボードのレールが只の箱だったらどうでしょう?

多分相当乗りにくいと思います、普通のサーフボードはエッジが有りフォイルという

3次元の造形で作られたレールを持っています、製品の状態でそうなっています

この事により、水から揚力を得て水面を滑走する訳です

ではスノーボードはどうでしょう?

水と空気の複合物である雪の状態が粉体であれ個体であれ、その上を滑走する

事に違いはありません、すなわち、機能するレール状のエッジでなければ

気持ちよく滑れないはずです、初心者で斜面を滑る事をコントロールできない

頃こそ、滑りやすい様に加工されたエッジが必要なのです

そこそこ滑れる様になった中級者であれば箱状のエッジでもなんとかなるでしょう

でも本当の滑りやすい、動きやすい感触を知らずに滑っているのかもしれません

ここ何年かロッカーボードなる形状の板が流行りました、曰くジブトリックに

向いている、初心者でも引っかからずに安心して滑れるなど、エッジを解放してある

事を謳っています、バートン社はかなり昔から初心者用にエッジを加工した板を

販売しています、おもにレンタルなどに供給されているようですが、、

僕がここで言いたいのは、初心者用は当然ですが、かなり乗れている方の板の

話です、僕は今までプレチューンと言いながらプレメンテナンスまでで

我慢して来ました、でも先輩チューナーの方々と話せば話すほど最初が肝心だ

と思う様になって来ました、最初から最高の状態で滑り出す事が必要だと

思います、今更と思う方もいらっしゃると思いますが、今後は全ての販売する板の

状態をチェックして、滑り手の技術を上達させるお手伝いをする、本来の意味での

プレチューンに切り替えます、手間も時間も倍以上かかる作業ですが、やはり

そこが一番大切だと思うからです、自由に雪の上で動ける、スピードをコントロール

出来る板に乗って頂きたいと思っています  Enjoy! Snowsurfing         Peace!