秋と冬のはざま

快晴だった昨日の夜は夕方からの放射冷却で急激に冷え込んだ
冬の訪れを感じるには十分な冷え込みでひょとすると山は雪かな?
と思ったほどだ、今年は雪が遅れていて知り合いのガイド達も
諦めてのんびりと準備を始めているようだ、営業的に冬の1週間は夏の3週間に相当する
彼らにとっては死活問題だがスノーボードチューナーの端くれである自分にとっても
それは同じことでお天道様にもそろそろはっきりと態度を決めてもらいたいと
願っているのは伝わっているだろうか?

その冷え込みも夜半に雲が出たおかげで温度が下がり切らず
冬用の布団に潜り込んだは良いが寝苦しさで目が覚めてしまった
どうやら今日も雪は降ってないようだ

風は東を向いたままで湘南のサーファーにとっては最悪の状態だ
伊豆の付け根の昔の温泉保養地の浜に向かえば、腰ぐらいの
波にありつけるはずだが、費用対効果を考えると得策とは思えない
だったらホームで仲間とふざけながら、スポンジでスネ波に挑戦している方が
まだマシに思えるが、夏ならいざ知らず全身ゴムに包まれてやるほどのものでもない
と思いつつも少しやれれば海に入りたくなる体が潮を欲しがるのだからしょうがない

友人からもらった長野のりんごと柿そして何年物かは謎の熟成された蜂蜜が
本日の朝のエネルギーだ暖かい季節にはあれほど食べていた
一見体に良さそうなヨーグルトと得体のわからないシリアルはすっかり食べなく
なってきた、体が喜ばないものは自然に淘汰されて行くということなのか?
シリアルについてはもう一度調べて見ても良いかなと思った
砂糖の入ってないシリアルがpatagoniaから発売されているらしいので
それがあれば砂糖まみれのポン菓子みたいなのから解放されるのだが、、

さて波の話だが今週の中頃から長らく続いた秋の東風も終焉を向かえそう
やっと雪を降らせる低気圧と寒気が動き出すらしい
そして連休となる週末にはギリギリ間に合うかもしれない次の冬型が決まりそうだ
となれば湘南は久しぶりの冬の西ウネリがやってくる、富士山のブラインドは
昔はシークレットだったが今はそれもすっかり解説付きで丸裸となった
つまりは混雑必至ということだが波は無いよりは有った方が良いのは当然で
楽しみにしているサーファーも多いと思う
しかも同じ時間軸で密かにはるか南海上から小さい台風も動き出しそうだから
小さいながらも波が届きそうな気配がある
自然は繋がって動いているので、雪だけ降るとか波だけ出るとかは無いので有って
必ず同じように発生するものだ、だから湘南の波の総量も多分決まっていて
夏に波がありすぎたのだから、今は耐えるときだったと思うしか無い

少し遅れはしたが雪が降れば、大気も動きだし波も出てくるのだ自然の中で
遊ばしてもらっている僕たちは流れに従い冬の訪れを静かに待つ事しか出来ない
だから普段から体を整えてその日を楽しみに待っている

西のウネリと雪の訪れが楽しみで仕方がない  Peace

見ておきたかったもの

10月最後の日曜日に珍しく疲れきるまでサーフィンした
それには訳があってこの後2日間吹き続けるオンショア
の後の北東の風に磨かれた真西のうねりが良いことは
少し長くサーフィンをしているものには簡単すぎる問題だった

一般の方々にとって台風の位置とうねりの入り方はニュースに
ならなければ関係のないものだ、近くに来なければ
騒ぎ立てることもない
しかし湘南のサーファーにとってこの西ウネリはとても大切な
タイミングだと理解していて、僕のもっとも好みの波となる

大きさの問題ではない質の問題であるその波をスルーして
向かわなければ見ておかなければならないものが
あったのだ、それは南アルプスの奥深くに人の手で汚されては
自然が壊し再生してきた、秘境が存在している

それが人間の利便性と欲だけで再び破壊されようとしている
その森と水を目に焼き付けたかったから、そして匂いと空気を
確かめたかったからこのラストチャンスに出かけて行ったのだ
来年ではもう遅くすでに遅かったかもしれないのだが
それでも素晴らしいだけでは表現が足りない大自然が
迎えてくれた、夜になればカモシカの鳴き声は止むことはなく
水の中にも森の中にも生き物たちが息づいていた

もちろんそこに育つ木々たちは幹が太く素晴らしい枝ぶりで
秋のグラデーションを誇っていた
その素晴らしい自然が壊されようとしている現実に
人間の欲とはつくづく際限がないということに虚しくなった

この目でしっかりと見てきた森と渓流はけっして忘れないだろう
落胆するだけでなく、数年後にどう変化して行ってしまうのか
再び確かめに来ようと、心に誓って山を降りた

山から海に繋がる水の現実も見てきた、なぜ浜が減っていくのか
その理由を調べて見てほしい、ほしいものをほしいだけ
有り余るものをさらにほしいと願う人間の欲望がバランスを崩して
このサイクルを作っていることを学んでほしいと切に願う

ほどほどに身の丈で、身の程に生きることだと聞いたことがある
まさにそれがこれから問われるサーファーの生き方かもしれない
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